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26
2018

あなたの人生、片づけます

CATEGORY小説
あなたの人生、片づけます。
短編集ってわけではないけど、一節ごとに完結していく物語で、主人公の片づけ屋・大庭十萬里の物語。
片づけ屋といっても面白いのは、彼女自身が直接依頼人から依頼があり、部屋を片づけていく様な
物語の流れではなく、片づけられるように指導していくのが彼女の仕事でもあり彼女のポリシー。

物語自体、凄く面白いし納得できる話があるし、本当にアルアルのお話で共感できる。
片づけ屋・大庭十萬里の考え方は『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』であって
その為に依頼人から話を聞きだし、その話の中からヒントを経て自主的に依頼人が動けるように
働きかけるのが彼女の仕事で、それにより依頼人も多少なりとも改心していくそんな物語。

物語の流れは依頼されて十萬里がやってきて話をして、最後は片づけられるようになる。
そんな水戸黄門みたいな物語が4つ収録されていますが、毎回それだと少し嫌気もするが
作者もそこは考えているのかなと思っていて、各章みんな視点をずらしている最初は読み手は
主人公の大庭十萬里が、どういった人間なのか理解出来ていないので、依頼人からの目線で描いて
どういう人物かを把握させ、章が区切られて行くごとに大庭十萬里の目線に移っていく。

最終章では十萬里の目線からみた片づけられない人達に対する思いや自分の考え方も
綴られていて細かい心理描写が絶妙に良かった。

最後まで読むと、依頼人と片づける側の心理が良く分かり理解も出来てくる。
テレビでも見ていると片づけられない人を良く見る。ごみ屋敷は少し違うにしても
部屋が異常に汚い人、物が多い人、それにはやっぱり日常の生活環境だとか人間関係だとか
そういったものが影響しているのかもって感じられる。

物語でも出てきますが、団塊世代のお金持ちの依頼人の話があり特に共感できるところもあって
昔の人は物を大事に使う、物が壊れたら直す、コレはお客様用、とか言いながら自分に考えを持って
物がいつの間にか増えて、家の中が物であふれ返ってしまっている家庭もきっとある。

僕の実家もそれに近い。(お金持ちではないですが)
子供達が独立して、家を出て行けば不要なものが沢山出てきて、親がそれらを残してこの世を去ると
それを片づけるのも残された子供達になる。そんな風にならないように日々片づけて
必要なものだけを手元に置き暮らして行きたいとそんな事を感じさせる物語でもある。

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Tag:小説

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